有限会社 日本環境技術
 

 
 


写真=汚泥を肥料に変える木製の漕。発酵の際に発生するにおいも抑えている=新潟市嘉瀬の日本環境技術

日本環境技術の社長が「愛・地球賞」受賞

 日本環境技術(新潟市)の岩渕健一社長が、愛知万博(愛・地球博)開催を記念し優れた環境関連技術に贈られる「愛・地球賞」(主催・2005年日本国際博覧会協会)を受賞した。食品工場などから出る汚泥に古紙を混ぜ、従来の10分の1以下の短時間で有機肥料にリサイクルする技術が評価された。

 同賞には、国内外から236の企業や個人から応募があり、トヨタやINAXなど百件が受賞。個人で応募した岩渕社長は県内で唯一の選出となった。
 同社長が開発した技術では、汚泥と古紙を8対2の割合で混合し、木製の漕で発酵させる。漕の下部から空気を送り込み、微生物を付着させる仕組みだ。汚泥は発酵後、90%減量し、すべて有機肥料になる。2000年に特許を出願し、03年に取得した。

 汚泥を肥料に変える場合、おがくずを混ぜるのが一般的だが、120日程度かかっていた。岩渕社長が開発した技術では、1トンの汚泥であれば、10日で処理できる。また現在は、製紙工場から出るパルプ汚泥と生活汚泥を混ぜ肥料にする実験に取り組んでいる。

 岩渕社長は受賞について「大手企業が受賞している中、私たちのような中小企業の技術が受賞したことに意義があると思う。これからも事業を通じて持続可能な社会発展に貢献したい」と話している。

新潟日報2005年6月30日

 

愛地球賞受賞の内容